日常のメディアとの向き合い方

 あふれるようなメディアからの情報、しかし、一方で人との距離を取ることを求められている今、私たちはより意識的に日常生活のメディアと向き合う必要があります。今回は特に人権の視点から考えようと2回のメディア・リテラシー講座が企画されました。9月1日、8日には、「緊急事態宣言」中にもかかわらず遠方も含め15人近くが参加しました。ファシリテーターは、田島知之・西村寿子(とよなかメディアプロジェクト)です。

 

第1回目 入門編「メディア・リテラシーとは」(9月1日 14時〜16時) 

 

 ・「メディア・リテラシーとは?」

 ・メディア分析入門CM:CMが語る価値観

 

 最初は「メディア・リテラシーとは?」というテーマで、①定義②基本概念の1と2、③分析/学びのスタイルについて、説明しました。基本概念は活字からインターネットを含むすべてのメディアが持つ性質です。基本概念3に「メディアはものの考え方(イデオロギー)や価値観を伝えている」がありますが、ふだん、私たちはCMが伝えるジェンダーや社会の規範をどれだけ意識しているでしょうか。

ワークショップ「メディア分析入門CM:CMが語る価値観」では、ある生命保険会社の1分間CMを分析対象にしました。参加者は映像を何回も見ながら登場人物、状況設定、映像や音声の技法に注意しながら記入シートにメモをして、それをもとにグループで話し合いました。

家でテレビを見ている時に流れてきたらソフトで感動的なCMとして見てしまいそうなCMでしたが、注意して読み解いて話し合ってみると、いろいろ見えてきます。参加の皆さんからは次のようなコメントがありました。

・メディア・リテラシーの講座を受けるのは初めて、CMの分析で皆さんのいろんな視点が聞けて興味深かったです。登場人物が男性だったら?など入れ替えて考えてみるのをやってみようと思います。

・私が見ていたドラマでよく流れるCMで、なんとなく嫌なCMだと思っていました。よく分析してみるとシングルマザーの女性が頑張る姿、それにかぶさる「笑顔」を連発する子ども。世間がこうあるべきだという女性の姿の押し付けにものすごい拒否感があったのだと気付きました。

・自分もシングルマザー、CMのように頑張っている私。最初は明るくて良いCMだと思って見たが、皆さんの意見を聞きながら、「私、こんなに頑張らなくてもいいんだ」ということに気がつきました。

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