インターネットの中の人権問題

昨夜、蛍池人権まちづくりセンターで行われた現代的課題講演会は、インターネット上の差別投稿などを検索し、削除依頼を行う「モニタリング事業」に取り組んでいる、尼崎人権啓発協会の三澤雅俊さんの話でした。

ネット上には部落差別をはじめとする差別やヘイト情報があふれていますが、有効な規制策はないのが現状です。そこで始まったのが「モニタリング」で、差別的な掲示板に検索をかけて、発見したら、記録し、削除依頼を行うというものです。もちろん、監視も把握も削除もごく一部しかできません。

当初、こうした事業を行うことがマスコミで報じられると、言論の自由の侵害だ、言葉狩りだといった反発する意見が相次いで寄せられたそうです。しかし、モニタリングを継続する中で、そうしたものはなくなり、尼崎関連の差別書き込みもなくなっていったとのことでした。結局、そうした取り組みが差別に対する「抑止力」になっていると言われ、なるほどと納得しました。

11月15日の「解放新聞」(大阪版)の記事によれば、モニタリングを行っているのは全国で206団体とあります。バラツキもあり、奈良県や埼玉県、兵庫県、山口県、大分県はたくさんの自治体で取り組まれていますが、残念ながら大阪は堺市のみで、豊中市も行っていません。

ネット上の圧倒的な差別情報が部落差別を拡大助長していることをふまえれば、何らかの対応策を講じるべきことは論をまちません。「モニタリング」はその一つですが、万能ではありません。インターネットを利用する人たちが自発的に「モニター」となって、差別情報をチェックし、駆逐していくアクションを起こすようになれば、局面は変わると思います。

私たちも自分の足元から取り組みを創り出していく必要があります。

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