ひょうご部落解放・人権研究所の人権セミナーに参加してきました

10月3日、神戸市中央区の兵庫県立のじぎく会館で、ひょうご部落解放・人権研究所主催の人権セミナーがおこなわれました。

セミナーの講師は、「歩ー識字を求め、部落差別と闘い続ける」の著者である山本栄子さんと静岡大学の山本崇記さん(同じ山本姓ですが血縁関係はないようです)で、崇記さんからの問いかけに、栄子さんが一つひとつ答えていく形で進行されていきました。

栄子さんは1931年生まれの89歳です。来年2月には90歳になります。京都の西三条という小さなムラで生まれ育ちましたが、部落差別や貧困によって勉強どころではなく、小学校は一応卒業したことになってはいるものの、ほとんど文字が書けなかったそうです。しかし、大人になって部落解放運動との出会いをとおして文字の大切さを知り、他の女性たちと一緒に識字教室を立ち上げ、文字を取り戻していきました。

文字を取り戻したことで自分の世界が広くなった栄子さんは40歳で給食の調理員になり、定年後には夜間中学、定時制高校に進学し、なんと最終的には69歳で大学にまで行ったそうです。そうしたご自身の経験(ライフヒストリー)について2時間語ってくれました。

何かすごい話や特別な話をしてくれたわけではありません。しかし、約90年間も生きてきた人の話の重みを感じるとともに、何歳になっても学び続けることの大切さについて再認識する時間になりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です