16年ぶりの「血と骨」

DVDプレーヤーの不具合で、「アイたちの学校」が見れなかったので、プライムで「血と骨」を観た。

映画は16年前に映画館で両親と観た。親と観ることはオススメしない。

暴力シーンが多すぎて辛かったことしか記憶に残っておらず、内容はほとんど忘れてしまっていた。

主演はビートたけし。いろいろ調べると、原作者の父がモデルで、巨漢だったというが、たけしはそこまで巨漢ではないので若干違和感を持った。

1923年、済州島(チェジュド)から15歳で日本に渡った金俊平(ビートたけし)と、彼の横暴無人なふるまいと、その時代に翻弄される家族の物語。

映画のなかで時折、韓国語が出てくるが、字幕は一切入らない。

たけしは昔(大昔)、民族差別に激高し、ライフル銃を持ってたてこもった金嬉老事件の金嬉老役でドラマにも出ていたことがあった。

こういった役を買って出るのは、何かしら在日コリアンに心を寄せてくれているのか?と16年ぶりに見て思った。

15歳で単身、日本に渡った俊平。ストーリーはそこから突如、中年の金俊平(たけし)が登場するので、若かりし頃に何があったのかは映画のなかでは描かれていない。

暴力を振るうことでしか自分の気持ちを表現できないような生活を金俊平が強いられていたのかと思うと、かばうつもりはないが切ない。

酒を飲んで暴れていたのは、うちのハラボジも同じだ。

伊丹の中村地区に住んでいた友達のお父さんも、酒を飲んで暴れて、母親が「あんたら、はよ、隣の家、いっとき!」とかばってくれたエピソードも聞いた。故郷を捨てて、夢を描いて渡った日本は金俊平にとっては差別と暴力だらけで絶望しかなかったのだろうか。

16年前、一緒に観ていた母は、「そうそう。昔はこんなんやってん」と映画のシーンに同調していた。それがどのシーンだったかは忘れてしまった。

16年経った今見ても、古臭さを感じない内容に仕上がっているのは豪華キャストの演技力のせいだろうか。オダギリジョーに新井浩文、松重豊、浜田マリ、鈴木京香、寺島進などなど。

「焼肉ドラゴン」の鄭義信氏が脚本に携わっていたのも16年前は全く意識していなかったが、悲劇づくりが上手な鄭義信さんならではの切なさを感じることができた。5年後、10年後もまた観たい。

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